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三尺格子の家

2015.6
住宅
79.50㎡
埼玉

若い夫婦と小さな二人の子供のための住宅を設計した。
尺貫法が廃止され、1951年よりメートル法が本格施行されて60年余り。未だに建設業界、特に木造住宅においては尺貫法が根強く用いられている。日本では畳1枚を基準(3尺×6尺)とした量産部材が企業間を越えたオープンシステムとして流通しており、所謂「在来工法」として全国的にプレファブ化されている。これはつまり、方眼紙に沿って間取り図さえ描けてしまえればどんな素人でも建築家になれる国民的モデュラーコーディネーションを実現しているのである。
この日本人に与えられた当たり前の寸法体系を表現に使うことで、合理性・経済性は元より表情としてのモデュール効果を見出せないかと考えた。
平面計画は3尺×3尺を一升とし、6×8升の総二階を部屋割りした。断面計画も、二階高さを4升とし構成を単純化した。天井を構成する垂木は6mの120角柱材を流通規格材のまま切らずに使用し、軒の出はその余寸法で決めた。
寸法体系を規格材に委ねることで徹底した合理化・経済化が計れるとともに即物的な「材料」としての生々しさが現れてくる。しかしながらその内部体験は古来から日本人が親しんできたモデュールに基づくものであり、快適性を担保している。
古典建築のオーダーからの脱却としてミケランジェロが大オーダーを発明したように、これは日本建築を支える尺貫法を請け負った大尺貫法と言えないだろうか。