
CONCEPT
銚子の駅前に銚子初のインキュベーション施設を設計した。 当初は断熱すらないスケルトン。ただ、これから銚子の新しいまちづくりを応援する施設として、そのがらんどうであることを活かすことで、始まりの期待を生み出したいと考えた。 まずエントランスから入って左面に水周りを固めることで、給排水の配管経路をコンパクトに収め効率化した。次にその配管経路に必要な床のレベル差を利用して、土間エリアとフロアエリアに大きく斜めに分割した。エントランス付近は土間仕上げとして外から気軽に入ってこられるようにオープンに計画している。一方フロアエリアは集中して仕事に取り組むために天井高を抑え、ペンダント照明によって領域化することで落ち着きのある居場所をつくっている。また、イベント時は二つのエリアを繋ぐ階段にも人が座ることで、モニターを囲んでフロア全体が劇場化する。レベルと素材の違う二つのエリアが斜めの大階段を介してワンルームで繋がることで、日常的な用途の区分けと、イベント時に必要な大空間の共存を可能にしている。 また、ペンダント照明として真鍮色の鉄板が吊られている。できる限りプロダクトとしての加工を加えずに1.6ミリの鉄板としての素材をそのままに、ただ、吊っている。そのディテールのない唐突な物質性がスケールを超えた存在感を示している。何者でもない物質であるが故に、建築や内装、またプロダクトとしての意味をひょいと乗り越えてくるかのような狡猾な心地よさを感じられる。














